授業にPCを活用しよう

2020年度のプログラミング学習導入でプログラミング言語の利用などに目が向いていますが、現場ではそれ以前の段階のPCの活用がまだまだ不十分です。一般の小学校では1年間で1回もPCやタブレットを利用した授業をしない教員がたくさんいます。

デジタルネイティブな若い教員はそうでもないのですが、年配の教員はPCに対する苦手意識が強い人が多くいます。活用すれば授業の効率が一気に上がるのに、何か機器トラブルがあった時にどうしたらいいか分からないからと消極的になってしまいます。しかし、教員の苦手意識よりも子どもの苦手意識をどうするか考える方が教育には重要でしょう。

植物

例えば、理科の授業では植物の観察に苦手意識を持つ子どもが結構います。その原因はスケッチです。写真左のような発芽したばかりの苗ならともかく、20~30㎝にも成長した植物を正確にスケッチするのは大人でも大変です。理科の観察の能力とは関係ない絵を描く能力の有無によって苦手意識を持ってしまう訳です。絵が上手に描けなくても、太陽の光を十分受けられるように植物の葉は交互に生えていることに気づくことはできます。ですから、スケッチしなくてもタブレットで写真を撮って印刷してノートに貼ればいい訳です。写真も最初からうまくは撮れませんが、自分が気づいたことを伝えるにはどう撮ればいいのか意識するようにさせれば次第に上達します。動植物の観察だけでなく物理や化学の実験結果も写真に撮って、書き込みをしたりプロジェクターで提示しながら発表したりするような活動につなげていけばPC操作のリテラシーや発表能力も伸ばせます。

音楽や図工などの芸能教科でももっとPCを道具として使うことが必要でしょう。小学校の教育はプロの演奏家や画家を育成するのが目的ではなく、音楽や美術に親しむのが目的なのですから、苦手意識を持たずに楽しむことが一番大事だと思います。音楽や図工を専門とする教師はPCを使うことを避けがちですが、道具としてPCを使うことで苦手意識をなくして活動に積極的に取り組めるようになる子どももいるはずです。楽器が演奏できなくてもシーケンサーソフトを使って作曲を楽しむことはできます。もっと自由に、楽器もPCも音楽のための道具と考えて使うようになればいいですね。同様に、のみと槌で彫刻しなくても3Dプリンターで立体物を作ればどちらも造形活動です。
ほとんどの学校が導入しているジャストスマイルなどの教育用統合統合ソフトにはペイントソフトも作曲ソフトも含まれていますので活用しないのはもったいないと言えますね。
WEB上にもChrome Music Labなどのようにフリーで使えるものもあります。低学年で音楽を楽しむには有効そうです。

Chrome Music Lab

マウスで作曲したり、音やリズムを作ったり、PCならではのことがいろいろできます。

Chrome Music Lab

Chrome Music Lab

micro:bitって?

micro:bitはイギリスのBBCが開発したプログラミング教育用の小型コンピューターボードです。イギリスでは12歳の子ども全員に無償で提供され、活用されているそうです。日本でも2017年に発売されました。2020年のプログラミング教育必修化に向けて関心が高まってきているようで、今年(2019年)になっていろいろなセット商品やモジュールが多数販売されるようになりました。4㎝×5㎝と小さいわりに多くのセンサーが搭載されているのでいろいろな活用方法が考えられること、値段が安いこと(2000円程度)がその理由でしょうか。

micro:bit
micro:bitの表側には25個のLED(光センサー)とA,Bの2個のボタン、タッチセンサーにもなる入出力リングなどがあります。裏側には加速度センサー、地磁気センサー、温度センサー内蔵のプロセッサー、BLE用の無線アンテナなどがあります。電源はマイクロUSBコネクターにPCをつなぐか電源用コネクターに電池をつなぐことで供給されます。最低限本体だけで使用できますが、ケースや電池ボックスも用意したいところです。

ロボットカー

セット商品ではArduinoのロボットカーみたいなのも販売されてきていますが、ここまでくると値段的にArduinoのセットと大差なくなってしまうので、どちらがいいのか考えてしまいます。

Micro:bit財団サイト
プログラミングはMicro:bit財団が運営するサイトでウエブブラウザ上でできます。ブロックを組み合わせてプログラミングするMakeCodeエディター、JavaScript(ジャバスクリプト)、Python(パイソン)などでプログラミングできますが、小学校段階ではやはりMakeCodeエディターになりますね。

MakeCodeエディター
MakeCodeエディターはシミュレーターにもなっているので、micro:bitをPCにつないでいなくてもプログラミングして動作を確かめることができます。micro:bit本体に搭載されているセンサー以外のモジュールやセットなどを使う場合には「高度なブロック」→「拡張機能」で対応するものを読み込むとブロックが追加されます。
実際に授業で使ってみた感じでは、学校側の回線の太さの関係もあるのでしょうが、Scratchに比べてサイトが重い感じなのが少し気になりました。