micro:bitって?

micro:bitはイギリスのBBCが開発したプログラミング教育用の小型コンピューターボードです。イギリスでは12歳の子ども全員に無償で提供され、活用されているそうです。日本でも2017年に発売されました。2020年のプログラミング教育必修化に向けて関心が高まってきているようで、今年(2019年)になっていろいろなセット商品やモジュールが多数販売されるようになりました。4㎝×5㎝と小さいわりに多くのセンサーが搭載されているのでいろいろな活用方法が考えられること、値段が安いこと(2000円程度)がその理由でしょうか。

micro:bit
micro:bitの表側には25個のLED(光センサー)とA,Bの2個のボタン、タッチセンサーにもなる入出力リングなどがあります。裏側には加速度センサー、地磁気センサー、温度センサー内蔵のプロセッサー、BLE用の無線アンテナなどがあります。電源はマイクロUSBコネクターにPCをつなぐか電源用コネクターに電池をつなぐことで供給されます。最低限本体だけで使用できますが、ケースや電池ボックスも用意したいところです。

ロボットカー

セット商品ではArduinoのロボットカーみたいなのも販売されてきていますが、ここまでくると値段的にArduinoのセットと大差なくなってしまうので、どちらがいいのか考えてしまいます。

Micro:bit財団サイト
プログラミングはMicro:bit財団が運営するサイトでウエブブラウザ上でできます。ブロックを組み合わせてプログラミングするMakeCodeエディター、JavaScript(ジャバスクリプト)、Python(パイソン)などでプログラミングできますが、小学校段階ではやはりMakeCodeエディターになりますね。

MakeCodeエディター
MakeCodeエディターはシミュレーターにもなっているので、micro:bitをPCにつないでいなくてもプログラミングして動作を確かめることができます。micro:bit本体に搭載されているセンサー以外のモジュールやセットなどを使う場合には「高度なブロック」→「拡張機能」で対応するものを読み込むとブロックが追加されます。
実際に授業で使ってみた感じでは、学校側の回線の太さの関係もあるのでしょうが、Scratchに比べてサイトが重い感じなのが少し気になりました。

Scratchで面積計算機を作る

文科省から示されているプログラミング教育の具体例は少ないので、どんな活動ができるのか考えてみたいと思います。
Scratchが活用できるのはどんな場面でしょうか?教師がクイズのプログラムを作って子どもにやらせる実践例も見かけますが、受け身ではなく子どもがプログラミングを組んでいく活動にしたいですね。となると、算数や理科での活動が考えやすいですね。
正多角形を描く活動例に似たものとして、図形の面積への理解を深めるために面積計算機を作る活動というのはすぐ思いつきますね。
いきなり子どもに「面積計算機を作りましょう。」と投げかけてもどんなものをどのように作るのか分からないでしょうから、具体例を示すことが必要です。と言うことで、長方形の面積を求める計算機を作ってみましょう。

まずは変数を作ります。長方形の面積の公式は「長方形の面積=たて×横」ですから、「たて」「横」「面積」の3つの変数を作ります。

変数を作る
次に繰り返し計算するように「ずっと」のブロックを置きます。その中に入力、計算、表示のプログラムを置いていくわけですが、分かりやすいように別々に組んで最後に中に入れるようにしてみましょう。

たて、横を入力するには「調べる」の中の「〇〇と聞いて待つ」のブロックを使います。入力された数値(答)を「変数」の中の「(変数)を〇にする」のブロックでたて、横それぞれの変数に入力します。

数値入力
次に面積を計算します。「演算」の中の「〇*〇」のブロックにたて、横の変数を入れて、その計算結果を面積に入力します。PCのプログラミングでは×には*、÷には/が使われているので注意しましょう。

最後に表示(出力)です。せっかくだから、式を表示してから面積を表示するようにしてみます。「見た目」の中の「〇〇と〇秒言う」のブロックを使い「演算」の中の「〇と〇」のブロックで式を表します。((たてと×)と(横と=))と二重にして使います。面積も同じように表示させます。これを全部「ずっと」の中に移動させれば完成です。

計算

入力

プログラムを走らせると「たての長さは何㎝ですか?」表示して入力待ちになります。数値を入力してエンターキーを押すかチェックマークをクリックすれば次に進みます。たて、横両方入力がすむと式を表示してから面積を表示し、また最初に戻ります。

表示

式表示

面積表示

やり方が分かったら教師から指示したり、子どもに選ばせたりして他の図形の面積の計算機を作る活動ができますね。三角形や台形の公式はより複雑になるので、難易度で得点をつけるなどしてみてもいいですね。