Sphero BOLT

Scratchなどのビジュアルプログラミング言語をWEB上でやっているだけでも子どもたちは熱中しますが、画面上だけではなく実際に動かせるものがあると更に夢中になります。そして、動きを見ては修正してと試行錯誤試行錯誤しながら画面上の時よりも粘り強く取り組みます。こうした活動に使われるのがロボットカーやロボティクスボールです。
プログラミング教育の実施を見据えてか、ここ2~3年の間に教育用のプログラミング可能なロボットが多数発売されました。興味ある人の参考になるように、実際に使用してみたものを中心にレビューしていきます。

SpheroBOLT

まずはsphero社が発売しているSpheroBOLTです。
2018年10月に発売された、sphero社のロボティクスボールシリーズの最新のものです。
直径7センチメートルほどの透明プラスチックのボールで、内部の構造が見えるようになっています。防水、耐衝撃仕様になっていて、壁などに衝突してしまっても心配はいりません。赤外線通信、デジタルコンパス、光センサー、ジャイロスコープ、加速度計、モーターエンコーダーなどの機能が搭載されています。また、新たに8x8LEDドットスクリーンも搭載され、これにもプログラムしたアニメーションを表示することが可能です。

BOLTにプログラミングするのは「Sphero Edu」という専用のアプリを使います。(iOS、Androidに対応)画面に描いた線の通りにBOLTを動かしたり、Scratch風のブロックを使ってプログラミングしたり、JavaScriptでプログラムすることもできます。

sphero Edu

実際に使用するには、まずSphero Eduを立ち上げてロボットの機種を選んで接続します。

ブロックモードでは下に並んだブロックを選んでScratchのようにプログラミングを組んでいくことができます。

         

実際に授業で使うには、目的もなくただ動かしているだけだと飽きてしまうので、難易度を変えてコースを設定してクリアできるか競っていくなどの工夫が必要でしょう。
ただ、車型のロボットと違い、動きが床面の材質にかなり左右されるので、方向転換が不正確になりがちです。また、思ったよりもスピードが出るので、かなり広い活動場所が必要です。そして、最大の問題点は・・・値段です!安いところでも17000円強の値段ですので、ちょっと買って試してみよう、とはなかなかできませんね。

2020年 プログラミング教育 必修化!

いよいよ2020年から小学校でプログラミング教育が必修化されます。
小学校の現場ではこれまで自主的に取り組んできた教員以外は、プログラミング教育に対して理解が不足していて、混乱したり不安を抱いたりしているようです。
このサイトでは管理人が取り組んできたプログラミング教育の実践を通して、どんなことをやればいいのか、どんなことができるのか考えていきたいと思います。

1 なぜプログラミング教育を導入するのか

文科省の「小学校プログラミング教育の手引(第二版)」を見ると、導入の理由としてプログラミングを知ることでコンピューターの仕組みを理解し主体的に活用すること、子供たちの可能性を広げて将来社会で主体的に活躍するきっかけになることなどがあげられています。
また、プログラミング教育は学習指導要領の中で「学習の基盤となる資質・能力」と位置
付けられた「情報活用能力」の育成や情報手段(ICT)を「適切に活用した学習活動の充実」を進める中に位置づけられています。

2 どんなことをやればいいのか

実は具体的な内容については、他の教科と違ってあまり明確に決められてはいません。
プログラミング教育にかかわる学習活動の分類として教育課程内では、

A 学習指導要領に例示されている単元等で実施するもの
B 学習指導要領に例示されてはいないが、学習指導要領に示される各教科等の内容を指導する中で実施するもの
C 教育課程内で各教科等とは別に実施するもの
D クラブ活動など、特定の児童を対象として、教育課程内で実施するもの

が示されていますが、具体例はAで5件、BとCは4件ずつしかありません。
文科省・総務省・経産省と民間企業が協力して立ち上げた「未来の学びコンソーシアム」のポータルサイトを見ると、学習指導要領に示されたもの以外にも実践事例が掲載されていますが、まだまだ十分な数とは思えません。各分野でのいろいろな実践が数多く集まることが望まれます。